かつて手がけたお宅のその後は、造り手としても気になるところです。
建物の具合はもちろんのことですが、ご家族のその後についてもです。 10年も経つと家族にも変化があって、 それに伴い家のありようも変わってきます。 なかでも仕事の都合でこの地域を離れるため、 住まいを売却したいというお話を時々いただくのですが、これは切ないですね。 とくに前職の会社の時に関わった方からが多いのですが、 先日新しい住まい手の方が決まって、引渡しに立ち会いました。 もともとよその土地のご出身であれば また戻ってくるという選択は薄いでしょうけれど、 ご主人は地元の方であっても奥さんが違う場合、あるいはその逆ですと微妙です。 今回はそのケースでした。 売らないで賃貸にして、いずれまた帰ってきては・・・と胸に秘めていましたが、 ご主人から、「家族の幸せ」を考えてと言われ、僕も合点がゆきました。 お子さんがこのたび東京の大学へ進学。 家族のうちふたりが東京にいて、奥さんひとりで家に残る、それが幸せなのか? 幸いご主人のいるとことに進学できたが、 もし進学先が家の近くでも東京でもなかったら 家族がそれぞれバラバラで生活することになる。 まして家族一緒という時間も限りがある。 かけがえのない時間、なるべく一緒にいることの方が、家を持ち続けることより大事。 まったくそのとおりです。 家は家族の情愛を育む場所でもありますが、 持ち続けることがそれを阻害することにもなる。 造り手としてはどうしようもないことですが、心しておこうと思います。 幸い新しい住まい手の方も建物を大切にしてくれそうな方でした。 木の家の魅力、ソーラーハウスの住み心地が 新しい住まい手に引き継がれるよう出来る限りのことをしたいと思います。
by slow-h
| 2014-12-07 16:05
| 雑記
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