もう30年以上前の話ですが、僕が小学4年のときに
父が安普請の家には不釣り合いなステレオを買いました。 しかしかけるレコードはたった2枚。 父は毎朝楽しげにそのレコードをターンテーブルの上にのせ、 家族に音楽を聞かせていました。 最初は歌のないわけのわからない曲だと思っていましたが、 だんだんと耳に馴染んで、口ずさんでしまうようになりました。 少し時が経ち、中学生になった僕は ビートルズに熱中するようになりました。 そのとき、「あれ?これ前に聞いたことがあるぞ!」と思う曲が いくつかありました。 ラジオやテレビで無意識に聞いてたのか、 それともただの気のせいなのか、 しばらく考えていたのですがハッと気がついたのが、 その2枚のレコードのうちの1枚。 「ポールモーリア・カスタムイージーリスニング」 「これだ!」と改めて聞いてみると、 ビートルズの曲が“ミッシェル”“ヘイジュード”“レットイットビー”と3曲。 ジョージハリスンの“マイスウィートロード”もありました。 そう、ステレオが来たばかりの頃、 毎朝聞いていたメロディだったんですね。 他にもS&Gの“明日にかける橋”や 映画「明日に向かって撃て」の主題歌“雨にぬれても” そしておなじみの“エーゲ海の真珠”や ジェフベックが何を血迷ったか演奏したこともある “恋はみずいろ”などもありました。 このLPのよいところはあの“オリーブの首飾り”が入っていないこと。 入っていたらその後ポールモーリアに感謝する気持ちは薄かったかも! 演奏はすごくよくて、 フィフスディメンション(伝わりにく〜)の“輝く星座”なんかは 原曲聞いたときにポールモーリアの方がいいって思ったし、 レットイットビーの演奏もかっこいいんですよね。 一番好きだったのは“ジュテーム”という曲で、 今でも自然に口笛とか吹いてますけど、 この曲セルジュゲンズブールの、かなりきわどい歌だっていうことを かなり大人になって知りました。 でもほんとうにいい演奏だって今でも思います。 ぼくのはじめての洋楽体験は実はポールモーリアだったんですね。 きっとそういう人多いと思います。 すごく、すごく感謝しています。
by slow-h
| 2006-11-06 21:56
| 音楽よもやま話
|
ファン申請 |
||